ホームページ制作で起こりやすいトラブルとは?原因・事例・対処法を紹介
「制作会社へホームページ制作を依頼した時に起こりやすいトラブルは?」
「トラブルを未然に防ぐにはどうすればいい?」
これからホームページ制作を外注しようとしている方の中には、このような不安を感じている方もいることでしょう。
実際、制作会社の選定や制作依頼の方法を間違うと、予想外のトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
そこでこの記事では、以下のようなことについて詳しく解説していきます。
- ホームページ制作でトラブルが発生する原因
- 起こりがちなトラブル事例
- ホームページ制作でトラブルを避けるための対処法
本記事を読むことで、正しい依頼手順を知ることができ、ホームページ制作に関する無用なトラブルを避けられるようになることでしょう。
ホームページ制作でトラブルが起こってしまう原因
ホームページ制作でトラブルが起こってしまう原因は様々ですが、特に以下のような行動を取ってしまうと危険ですのでご注意ください。
- ホームページ制作に関して何もわからないまま依頼する
- 依頼する制作会社を適当に選ぶ
- ミスマッチな依頼をする
- 契約書の内容をよく確認しない
- 料金の安さだけで制作会社を決める
- 制作を丸投げする
ホームページ制作に関して何もわからないまま依頼する
依頼する側が、ホームページ制作について何も知らないという状態ですと、制作会社との認識のズレが生まれやすくなってしまい、トラブルに繋がる可能性が出てきます。
Webの仕組みやWeb制作についての知識を持たないクライアントの場合、以下のような不満を感じるケースがあるかもしれません。
「なんでこんなに制作期間が長いのだ」
「この程度の依頼でこんなに高い料金がかかるのか」
「少しデザインを修正するくらいで追加費用を取るのはおかしい」
これらは、ホームページの制作工程を知らないために生じる誤解だと言えるでしょう。
例えば、「デザインのごく一部分を変更する」という修正依頼があったとします。
制作の工程や中身を知らなければ、「少しデザインをいじるだけだろうからすぐに終わるはず」と考えてしまうかもしれません。
しかし、一部を修正したことによる影響が他のページに及んでいないかどうかを精査したり、影響が出ているようなら対応したりと、それなりの工数が必要となるのです。
また、クライアントからすれば「ほんの一部の変更」だと認識していても、制作会社側からすれば、仕様上その一部分を変更するのが非常に大変、という場合もあります。
こうした事情を理解していないと、無用なトラブルに発展してしまうことがあるでしょう。
依頼する制作会社を適当に選ぶ
ネットで適当に検索してヒットした制作会社に依頼してしまった、というパターンも、トラブルが起こりやすいです。
特に、相手方とやりとりしないまま、公式HPの内容を鵜呑みにしていきなり依頼するような行動は避けるべきです。
HP上だけならば、いくらでも都合のよいことが書けますし、場合によっては、制作実績にも嘘や誇張があるかもしれません。
「法人の公式HPで堂々と嘘をつくようなことなどないだろう」といった思い込みは危険ですので、相手方としっかりやりとりを重ねた上で、信用できるかどうかを判断するようにしてください。
ミスマッチな依頼をする
- 「案件内容」と「依頼した制作会社」の相性が良くない
- フリーランスにやたらと重い案件を依頼する
このようなミスマッチとなる依頼をしてしまうと、納品されたホームページに納得できなかったり、納品されずに途中で制作が頓挫してしまったり、というトラブルが発生することがあります。
まず、制作会社にはそれぞれ特徴があります。
LP(ランディングページ)制作が得意な会社もあれば、リクルートサイト制作が得意な会社もあるのです。
ホームページにはいろいろな種類があり、種類に応じて目的や制作の仕方が変わってきます。
当然ノウハウも異なるため、LP制作のノウハウしかない制作会社へリクルートサイトの制作を依頼してしまうと、クオリティ的に劣ったものが納品されてしまうかもしれません。
また、フリーランスに大規模な案件を依頼する際も要注意です。
フリーランスは個人で活動しているため、どうしても仕事量が限られてしまいます。
そのため、本人が「できる」と断言したとしても、いざはじまってみると「やはり厳しい」と言われてしまう可能性がありますし、体調不良や事故といった不可抗力なトラブルによって作業が止まってしまうリスクもあります。
契約書の内容をよく確認しない
打ち合わせでの口約束を妄信し、契約書の内容をよく確認せずに契約を結んでしまう、という行為もトラブルを誘発します。
ましてや、契約書を交わさないなどもっての外です。
契約ごとは、契約書に記されていることが最も重視されます。
互いに、口でなんと言おうとも、もしトラブルが発生した際には「サインした契約書にどう書かれているのか」によってどちらの主張が正しいかが決まります。
契約書はそれだけ重要なものですので、決して軽視しないようにしてください。
料金の安さだけで制作会社を決める
ホームページ制作会社の中には、相場料金よりも大幅に安い金額で請け負っているところもあります。
しかし、制作には最低限必要な経費があるため、本来ならば安くしようにも限界があるのです。
また、より質の高い成果物を納品しようとすれば、スキルの高い人材を雇ったり、制作環境を整えたりといった投資も必要になるので、相場を大きく下回るような料金設定は難しくなってしまいます。
したがって、異常に安くホームページ制作を請け負っている会社は、質の高いホームページを作るための投資をしていない可能性が高い上、最悪の場合は制作過程のどこかで手抜きをして帳尻を合わせる、という恐れもあります。
ホームページに限らず、異常に料金が安い場合は、安いなりの理由があるものです。
安さだけにこだわると、安物買いの銭失いになってしまうかもしれません。
制作を丸投げする
「Web制作について何もわからないから任せる」
このように、求めているホームページのイメージをざっくり伝えるだけで、あとは制作会社に丸投げする、という依頼をしてしまうのもトラブルの元となりますのでご注意ください。
丸投げしてしまった場合は、納品されたホームページを見て「こうじゃない」と感じたとしても、基本的に無料での修正依頼を出すのは難しいことが多いです。
制作会社としては、「すべて任せる」と言われた上で制作しているわけですから、後になってから追加費用なしで修正を要求されても困ってしまうのです。
当然、拒否されることがほとんどでしょう。
丸投げは非常にリスクの高い依頼方法だということを、是非認識しておいてください。
ホームページ制作で起こりがちなトラブル事例
ホームページ制作で起こる代表的なトラブル事例についてまとめました。
具体的にどういった事例があるのかを知っておくことで、先回りしてトラブルを回避できるようになることでしょう。
トラブル事例①:修正に応じてもらえない
「納品されたホームページに気になる点があるので修正依頼を出す」というのは、ごく一般的な行為です。
しかし、場合によってはまったく修正に応じてもらえなかったり、応じてもらえたとしても高額な追加費用がかかったり、という事例も存在します。
そうした事例で最も多いのが、契約書の確認不備です。
修正対応に関する条項をよく確認せずに契約してしまうと、納品後の修正段階でクライアント側・制作会社側の認識が異なることで揉める、ということも起こり得ます。
トラブル事例②:想定していない追加費用を請求された
「想定外の追加費用を請求された」という理由でトラブルになる事例も珍しくありません。
こちらのトラブルも、多くは「契約書をよく確認していなかった」ということが原因となるのですが、中には、クライアント側の認識不足によるものもあります。
クライアントの認識不足として代表的なのが、「運用・保守コスト」です。
Webについてあまり詳しくない場合、「ホームページ制作を依頼したのだから、ホームページを運用・保守していく作業も料金に含まれているはず」と誤解しているクライアントもいらっしゃるようです。
そのため、運用や保守にかかる費用として月額料金を提示されたことで、「そんな話は聞いていない」となり、揉め事に発展してしまうケースもあります。
制作会社は、契約書に沿った請求しか行わないので、とにかく契約書をしっかりと確認することがトラブル回避のための最善策となります。
トラブル事例③:期待していた成果が得られない
納品されたホームページに関して、「契約前に制作会社から説明された内容」と「実際の成果」がかけ離れている、というトラブル事例もあります。
例えば、検索エンジンで上位に表示させるための技術である「SEO」に強いことを謳っている制作会社に依頼したのに、まったく上位表示されない、といったようなトラブルです。
なおSEOに関しては、すぐに結果が出るものではないので、半年~1年ほどは様子を見る必要があります。
しかし、1年以上経ってもなんの成果も見えないようであれば、SEOに強いという宣伝文句が嘘だったか誇張だった、という可能性が高くなるでしょう。
その他、ブランディングに強いという触れ込みの制作会社なのに、チープな作りのホームページを納品された、といった事例もあります。
制作会社の公式HPに載っている内容や、担当者からの説明をそのまま受け取ってしまうと、「期待していた成果とまったく違う」という目に遭ってしまうことがあるので要注意です。
トラブル事例④:制作会社に著作権を主張された
意外かもしれませんが、クライアントが制作会社にお金を払って制作したホームページの著作権は、制作会社側に属することになります。
そのため、通常は契約の際に著作権譲渡についての条項も盛り込むのですが、こちらの条項を入れ忘れたことによって、様々なトラブルに発展してしまう可能性があります。
例として、制作会社側に著作権を持たれてしまうことにより、クライアントがホームページの素材を広報用の資料などに流用したいと思っても、素材提供を拒否されるというトラブルが起こることもあり得るのです。
一般的な制作会社の場合、そのような悪質な行為に出ることはまずありませんが、トラブルに繋がる可能性があることは留意しておかなければなりません。
トラブル事例⑤:リース契約をしてしまった
リースとは英語で“賃貸借”の意味ですが、日本でリースといえば一般的には「リース会社が、企業に対して機械や設備を長期間賃貸する」という意味で使われています。
引用:リースの仕組み | リースの基礎知識 | 三井住友ファイナンス&リース株式会社
このように、車や複合機、OA機器など、高額なため購入するのが難しいという商品を一定期間レンタルできる、というのがリース契約です。
なお、ホームページは「無形」のものですので、リース契約はできません。
ところが、有形であるパソコンやソフトのリース契約を結びつつ、ついでにホームページ制作も請け負うという形にして、強引にホームページのリース契約を成立させようとする悪質な業者も一部で存在します。
厄介なのが、「リース契約は途中解約ができない」という点です。
一度契約を結んでしまうと、数年間はリース料金を支払い続けなければなりません。
事業者の場合はクーリングオフも適用されないため、解約する方法がないのです。
何より厳しいのが、リース契約が終了するとホームページを返還しなければならない、という点です。
何年もかけて運用を続けようと、リースの契約期間が終了すればホームページを奪われてしまいます。
リース契約の罠には充分にご注意ください。
ホームページ制作でトラブルを避けるための対処法
制作依頼をする際、適切な手順を踏んでいないと、トラブル発生率が高まってしまいます。
この項目では、トラブルを未然に防ぐために必要な対処法について具体的に解説していきます。
最低限のWebリテラシーを持つ
ホームページ制作を依頼する際、トラブルを回避するための対処法として最も重要なのが、「最低限のWebリテラシーを持つ」ということです。
もちろん、制作過程の詳細を把握するレベルまでは必要ありません。
- ドメインとは何か
- サーバーとは何か
- ホームページ制作とはどんな作業をするのか
- 制作にかかる料金の相場はどれくらいか
上記のようなことをざっくりと把握しておくだけでも、「ホームページ制作がそう簡単なものではない」「一見簡単に思える修正でも時間がかかることがある」ということがなんとなく理解できるかと思われますので、大きな認識の齟齬によるトラブルが発生しにくくなることでしょう。
相見積もりを取る
自社の案件とマッチする理想的な制作会社を探すためには、「複数の会社をリストアップして相見積もりを取る」という手順を避けてはいけません。
いきなり1社に絞って話を進めていく方が、手間がかからず楽ではありますが、その分ハズレの制作会社に当たってしまう可能性が高くなります。
後々になって「もっと慎重に選べばよかった」と後悔しないために、多少面倒であっても、必ず相見積もりを取るようにしてください。
そして、それぞれの会社の担当者とのやりとりを通じて「信用できる制作会社かどうか」を確認したり、制作実績に関して詳しくヒアリングしたりすることで、依頼すべき会社が絞られてくることでしょう。
案件に適した制作会社を選ぶ
上記の相見積もりに関する項目と関係してきますが、相見積もりを取る際は、「どういったホームページの制作に強い会社なのか」について意識しながらリストアップするようにしてください。
例えば、ECサイトの制作を依頼しようとしているのに、ECサイト制作の実績がない制作会社を選ぶのは危険です。
こうした会社は、依頼予定のリストから除外すべきでしょう。
制作会社の公式HPに掲載されている実績を確認することで、何を得意としている会社なのかが大体わかりますので、参考にしてください。
専門家も交えて契約書を確認する
トラブル回避のために最も重要なのが、制作を依頼する際の契約書の確認です。
契約ごとは、契約書に書かれていることが最も強いので、契約書の内容をあまり把握していなかったり誤解していたりすると、それが原因でトラブルへ発展することがあります。
そうした事態を避けるために、契約を締結する際には、Web制作関連の契約に詳しい弁護士や行政書士といった専門家に契約書を確認してもらうのがベストです。
特に以下のような項目については、クライアント側・制作会社側でしっかり共有し、契約書に明記しておきましょう。
- 修正に関する取り決め(無料対応の回数や、無料修正の範囲など)
- クライアントが支払う予算に含まれている、制作会社側の作業範囲
- 著作権の所在
依頼内容を具体的に伝える
制作会社に対して、依頼内容を具体的に伝えていないことから双方の認識にズレが生じてしまい、納品されたホームページの質に納得できない、というケースは決して珍しくありません。
せっかく予算も時間も投下したのに、成果が期待できないようなホームページが納品されてしまってはあまりにも悔しいことでしょう。
満足いく成果物を得るためには、依頼の段階でRFP(提案依頼書)を作成し、制作会社から提案を受けつつ、密にコミュニケーションを取りながら依頼内容を詳しく詰めていくようにしてください。
【RFP(提案依頼書)とは】
「自社の課題」や「ホームページ制作を通して達成したい目標」などを制作会社へ伝えるために、クライアント側が作成する文書のこと。
制作会社は、RFPをもとにクライアントへ提案を行う。
制作依頼を丸投げするなどもっての外ですので、手間がかかろうとも、制作会社と協力しながら「求めているホームページ」の姿を具現化していきましょう。
対処してもトラブルが起こってしまった場合
「これからトラブルへ発展しそうだ」
「すでにトラブルが起こり始めている」
このような場合に、揉め事を大きくしないための対処法として「制作会社を変更する」という方法があります。
ただし、制作途中での制作会社変更は最後の手段です。
制作会社を変えるとなると、それまでにかかった費用や時間の多くが無駄になってしまいますし、そもそも制作会社側が素直に受け入れるかどうかも不透明です。
トラブルに発展してしまうような会社ですから、引継ぎに応じてもらえるかもわかりません。
これまで解説してきた内容を踏まえ、慎重に制作会社を選定したのならば、トラブルに巻き込まれるようなことは滅多にないです。
しかし、万が一そのようなことがあれば、最終手段として制作会社変更も視野に入れるべきでしょう。
まとめ
以上、ホームページ制作でトラブルが発生してしまう原因や、トラブル事例、トラブルを未然に防ぐための対処法について解説してきました。
トラブルの原因や事例ばかりを紹介してきたので、「制作会社を利用するには注意点が多いのか」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。
ほとんどの案件において、クライアントと制作会社が良好な関係を保ちつつ、希望通りのホームページが納品されています。
- 依頼先をじっくり選ぶ
- 案件内容について制作会社と協力しながら詰めていく
- 契約書に記された内容を把握しておく
こうした当たり前のことを怠らなければ、問題が起こることは稀ですのでご安心ください。
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