WebデザイナーにWordPressのスキルは必要?学ぶならどこまで?学習方法も解説
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「WebデザイナーならばWordPressの知識やスキルがなければいけない」
このような意見をネット上で目にしたり、仕事関係の人から聞いたりしたという方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、本当にWordPressの学習が必須なのかどうか、判断に迷うところでしょう。
そこでこの記事では、WebデザイナーにWordPressのスキルが必要だと言われる理由や、学ぶとしたらどこまで学ぶのか、WordPressでWeb制作を行う際にはどのような流れになるのか、などについて詳しく解説していきます。
「WebデザイナーはWebデザインが本分なのだから、なぜWordPressのスキルが必須だと言われているのか理解できない」
こういった疑問を持っている方は、是非最後まで記事をご覧ください。
目次
結論:WebデザイナーはWordPressのスキルを身に付けるべき
まず最初に結論からお伝えしますと、今のWebデザイナーにとってWordPressのスキルは必要不可欠だと言っても過言ではない状況です。
厳密に言えば、Webデザイナーとしての仕事にWordPressが必須なわけではありません。
しかし、「Webデザインだけならばできる」というWebデザイナーは飽和状態であり、競争が激化しています。
Webデザイナーとして生き残っていくためには、自分自身にできるだけ付加価値をつける必要があるのです。
その代表的なスキルが、WordPressになります。
WordPressは世界一のシェアを誇るCMSであり、導入している企業も非常に多いです。
そのため、Webデザイナーに対しても、WordPressについて知っていることが前提で話をされることも少なくありません。
そのような状況ですので、「WordPressのスキルがなければWebデザイナーになれない」というわけではないものの、ほぼ必須となるスキルだと言えます。
WebデザイナーがWordPressを学ぶことによるメリット
WebデザイナーがWordPressを学ぶことで、具体的に以下のようなメリットが得られます。
- WordPress案件に対応できる
- 初級者でも対応可能な案件も多い
- 就職で有利になる
- 副業をしやすくなる
- コーディングスキルも身に付く
- キャリアパスが広がる
WordPress案件に対応できる
前述の通り、WordPressは世界で最も利用されているCMSで、日本でも多くのサイトがWordPressで構築されています。
そのため、案件数が非常に多く、正社員として働くにしても、フリーランスWebデザイナーとして活動するにしても、いずれにせよ有利に働くことが多いです。
シェアの多いツールに関する知見を高めておけば、単純に仕事の幅が広がるので、この点は大きなメリットだと言えるでしょう。
初級者でも対応可能な案件も多い
WordPress案件は、プログラミング言語である「PHP」や、データベースである「MySQL」に関する深い理解まで求められる高度なカスタマイズ案件から、HTMLやCSSを多少知っていれば対応できる初級者向けの簡単な案件まで、幅広く存在します。
したがって、学習途中であっても「このレベルならば今の自分でも対応できる」という案件を見つけやすい点もメリットとなります。
ちょっとしたデザインの修正ならば、WordPressの管理画面やファイル構成を把握するだけで、どの部分を直せばいいかがわかるため、初級者でも十分対応可能です。
就職で有利になる
Webデザイナーとして就職する際、WordPressのスキルがあれば有利になることがあります。
特にWeb制作会社への就職を考えている場合は、「WordPressに詳しい」という武器が大きなアピールポイントになります。
Web制作において、WordPressは第一選択肢に挙がるCMSだからです。
未経験の状態からWebデザインの学習を始めるのならば、後々の就職のことも考慮し、WebデザインだけでなくWordPressについても併せて学んだ方がよいでしょう。
副業をしやすくなる
Webデザイナーに限りませんが、正社員が給料を上げるのは大変です。
どれだけ努力をしても、成果を出しても、50万円~100万円単位で年収を上げることはかなり厳しいでしょう。
しかし、副業に取り組めば年収アップは比較的容易です。
例えば月に5万円の副収入を得れば、年収60万円アップになります。
WordPressに関する副業案件は豊富ですので、案件を獲得することは決して難しくありません。
スキル次第では、副業が本業の収入を超えてしまうというケースもあるほどです。
WordPressのWebデザイン案件は、クラウドソーシングや副業エージェントサイトに数多く登録されています。
ただし、副業を始める際は、必ず会社の就業規則を確認してください。
副業が禁止されている状況で、隠れて副業をしてしまうと、トラブルに発展する可能性があります。
コーディングスキルも身に付く
WordPressについて学ぶには、HTML/CSSやPHP、JavaScriptといった言語の学習も避けては通れません。
したがって、結果的にWebサイトのコーディングに必要となる言語まで習得できることになります。
Webデザイナーにとってコーディングスキルは必須ではないものの、ライバルとの差別化を図るために有効ですので、可能であれば身に付けておくべきです。
キャリアパスが広がる
WordPressの学習を進めることで、本来Webデザイナーには必要ないものの、自身の付加価値を高められるスキルが身に付きます。
例えば、これまで紹介してきたような「PHPを用いたプログラミングスキル」や「データベーススキル」などです。
はじめは「簡易的なテーマのカスタマイズができるようになればいい」と思って学習を開始したとしても、次第にWordPressの便利さや奥深さを知り、深く追求したくなることもあるはずです。
その結果、PHPを扱えるようになれば、Webエンジニアへのキャリアチェンジも可能になります。
さらに、最近では「WordPressエンジニア」という言葉も生まれているほど、WordPressに精通した人材は重宝されます。
このように、WordPressの学習を進めることでキャリアパスが広がる可能性がある点もメリットです。
WordPressでサイトを構築するための手順
「WebデザイナーにとってWordPressのスキルが重要であることはわかったけど、実際どうやってサイトを作っていくのか知りたい」
ここまでお読みいただいた方の中には、このように感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこでこの項目では、WordPressでサイトを構築する際の大まかな流れについて解説していきます。
主な構築手順としては、以下のような形になります。
- ドメインを取得しサーバーを確保する
- Webサイトを設計する
- Webデザインを作成する
- 実装・PHPファイル化を行う
- 必要なプラグインを入れる
- 入念なテストを行う
ドメインを取得しサーバーを確保する
WordPressでのサイト構築を行う場合は、まず「ドメインの取得」と「サーバーの確保」から行います。
この作業は、CMSを使わずにWebサイトを制作する時と同じです。
なおサーバーを用意する際には、「自前のサーバー」か「レンタルサーバー」の2択になりますが、レンタルサーバーを利用する場合は慎重に選びましょう。
レンタルサーバー会社によって、料金・使いやすさ・サポートの質などが異なるからです。
特に注意すべきなのが、「WordPressへの対応」です。
デフォルトでWordPressを簡単にインストールできる機能を備えているケースもあるため、WordPressでのサイト構築を前提としている場合はそういったレンタルサーバーを選ぶべきことをおすすめします。
例えばエックスサーバーの場合、「WordPress簡単インストール」という機能があり、インストール作業のほとんどがクリックのみで完結するため、WordPressに関してあまり知識がない初心者でも戸惑うことはまずないでしょう。
最初の段階で不必要に手間をかけないためにも、目的にマッチしたレンタルサーバーを選ぶようにしてください。
Webサイトを設計する
ドメイン取得・サーバー確保と同時並行的に、Webサイト設計も進めていきます。
「簡単にサイトを作れるのがCMSの良いところなのだから、わざわざ設計なんてしなくてもいいだろう」
このように考える方もいるかもしれませんが、WordPressでサイトを構築する場合でも、設計は必要です。
あくまで「サイト構築をしやすくなる」だけであり、魅力的なサイトを制作するにはUI/UXを考慮した作りにしなければなりません。
一般的なWeb制作の流れと同じように、ワイヤーフレームも作成するようにしましょう。
Webデザインを作成する
Webサイト設計が完了したら、Webデザインの作成に入ります。
なお、WordPressにおけるデザイン作成は、以下の2パターンとなります。
- 既存のテーマをカスタマイズする
- 新規でテーマを作成する
設計内容を鑑みつつ、どちらの方法を選択するかを決定します。
既存テーマを使った方が工数を削減できるものの、強引に既存テーマを使おうとすると逆に工数がかかってしまうこともあるので要注意です。
実装・PHPファイル化を行う
デザインが完了したら、次はコーディング(実装)です。
オリジナルテーマを作成する場合は、HTMLでサイトの骨格を作り、CSSでデザインを調整していきます。
既存テーマをベースにする場合は、HTML/CSSの修正がメインとなることも多いです。
HTMLファイルが完成したら、それらをWordPressの規格に合わせてPHPファイル化していきます。
このタイミングで、投稿した記事が表示されたり、トップページで記事を一覧表示したり、といったWordPressお馴染みのUIが反映されます。
必要なプラグインを入れる
CMSの魅力は、豊富なプラグインによって手間をかけずに便利な機能を追加できることです。
特にWordPressは、世界一のシェアを誇るCMSだけあり、多種多様なプラグインを無料で利用することができます。
WordPressのプラグインに関する情報は、ネット上に数多く存在するため、どのようなプラグインがあるのかをしっかり調査し、作成しているサイトに適したものを入れるようにしてください。
中でも、以下のようなプラグインは必須です。
- セキュリティ対策関連
- SEO関連
- データのバックアップ関連
ただし、プラグインを入れすぎるとサイトが重くなってしまい、表示に時間がかかってしまいます。
ユーザーに迷惑がかかることはもちろん、SEO的にもマイナスですので、導入するプラグインは最低限にしておきましょう。
入念なテストを行う
WordPressを用いたWeb制作が完了したら、一般的なWeb制作同様、最後は入念なテストを行います。
チェックシートを作り、エラーやバグがないか徹底的に確認し、問題があれば修正作業を行います。
テストと修正が終了すれば、WordPressでのサイト構築が完了となります。
WebデザイナーはWordPressをどこまで学ぶべき?
WebデザイナーがどこまでWordPressについて学ぶべきかについて、明確な線引きはありません。
- 今の仕事に対応できる程度のスキルが身に付けばいい
- テーマを自作できるレベルになりたい
- プログラミングスキルを習得してバックエンドにも対応できるようになりたい
このように、「自分が求めるライン」に沿って、満足いくまで学習を進めるのがベストでしょう。
クリエイターとしての価値をどこまで高めたいか、については人それぞれです。
しかし、Webデザイナーは魅力的な職業であることから参入するライバルが多いため、周りと同じことをしていても需要の高いWebデザイナーにはなれないでしょう。
Webデザイナーとして長く活動していくためには、Webデザイン関連のスキルはもちろん、WordPressについてもできるだけ深く学ぶことを強くおすすめします。
WordPressの学習方法
WebデザイナーがWordPressについて学習する方法は、主に以下の3つとなります。
- 専門のスクールに通う
- メンターを探す
- 独学で習得する
専門のスクールに通う
WordPressのスキルを習得するための方法として最も確実なのは、専門のスクールに通うことです。
WordPressについて学べるスクールはたくさんあります。
例えば、以下のようなスクールが有名です。
- ヒューマンアカデミー
- デジタルハリウッド
- インターネットアカデミー
ただし、専門技術を学べるスクールは高額になる傾向にあり、数十万円の費用が必要となることも珍しくありません。
経済的に余裕のある方や、「お金で時間を買う」という自己投資として割り切れる方には向いている方法ですが、できるだけ出費を避けたい場合は他の学習方法を選択した方がよいでしょう。
メンターを探す
WordPressに詳しい人を探してメンターになってもらう、という学習方法もあります。
メンターとは、特定のジャンルにおいて深い知識やスキルを持った指導者のことです。
メンターに報酬を支払わなければならないため、ある程度費用はかかるものの、スクールに通うよりは安く抑えられる可能性が高いです。
メンターを探したい場合は、SNSでメンティー(教わる人)を募集しているアカウントを探すか、「MENTA」のようなメンターとメンティーとをマッチングするサイトを利用するのがおすすめです。
独学で習得する
最も学習コストがかからないのが「独学」です。
書籍やインターネットなどを活用し、誰にも頼らず自力で勉強するという方法のためお金はあまりかかりませんが、以下のようなデメリットも存在します。
- 適切な学習計画を立てられない可能性がある
- わからない箇所があっても気軽に質問できる人がいない
- 学習のモチベーションを保てずに挫折してしまう
しかし、誰にも頼れない分、自己解決力が育つというメリットもあります。
どの形式の学習方法が適しているのかは人それぞれ異なりますので、自分の性格や価値観などに合わせて最適な方法を選択してください。
まとめ
以上、WebデザイナーにWordPressのスキルが必要な理由や、習得するメリット、学習方法などについて詳しく解説してきました。
WordPressのスキルは、本来Webデザイナーにとっては必要のないものかもしれません。
しかし、所属する会社や受注した案件によっては、当たり前のように求められることもあります。
そして、そのたびに「それはWebデザイナーの仕事ではない」と主張していては、いずれ仕事がなくなってしまうかもしれません。
再三お伝えしている通り、Webデザイナーはライバルが多いため、競争相手たちに負けないよう、是非積極的にWordPressについて学ぶようにしてください。