Webデザイナーの仕事はなくなる?AIが原因?将来性について解説
Webデザイナーの仕事について調べている人の中には、Webデザイナーの仕事がなくなると言われているのを見て不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、なぜWebデザイナーの仕事がなくなると言われているのか、その理由を解説します。
また、Webデザイナーとして生き残る上で必要なスキルや、Webデザイナーとして普段行うべきことなども解説します。
Webデザイナーの仕事がなくなると言われている理由
生成AIの登場やデザインツールの発展などの技術的な革新により、Webデザイナーの仕事は将来的になくなるとも言われています。
そこでこの項目では、Webデザイナーの仕事がなくなると言われている主な理由を解説します。
- AIの進化
- Webデザイナーを目指すライバルの増加
- SNSの発展
- Webデザインツールの発展
AIの進化
Webデザイナーがなくなると言われている大きな理由は、生成AIの進化と急速な普及だと言えるでしょう。
最近では、ChatGPTやBardといったチャット形式でリサーチやアイデア探しができるものも存在します。
さらに、MidjourneyやStable Diffusionなどの画像生成のAIも普及してきています。
生成AIの発展により、Webデザイナーの経験やスキルがない人でも高クオリティなデザイン作成が可能となっています。
また、生成AIの発展により、コードも瞬時に自動生成できるようになりました。
企業も、Webデザイナーに依頼するより低コストでデザインの作成が可能であり、AIを活用することで素早くデザイン案を作成することができるため、Webデザイナーに依頼するより、自社でAIを活用するという選択肢を取ることが増えてきています。
Webデザイナーを目指すライバルの増加
Webデザイナーを目指すライバルが増加し続けているという点も、Webデザイナーの仕事がなくなると言われている一つの理由でしょう。
Webデザイナーを目指すライバルが増加しているということは、有効求人倍率から見ても明白です。
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によれば、令和4年のWebデザイナーの有効求人倍率は『0.18』となっています。
有効求人倍率とは
有効求職者数に対する有効求人数の割合のこと。1が基準。
1以上の場合、求職者を探している企業数が多い状態。
1以下の場合、就職先企業を探している求職者が多い状態。
つまり、Webデザイナーの増加によって案件獲得が難しくなっている状況であり、経験値の高いWebデザイナーや、Webマーケティング・コーディングなどの周辺領域のスキルも要しているWebデザイナーが案件を獲得しやすくなっています。
SNSの発展
Webデザイナーがなくなると言われているのは、SNSが発展したことにより、集客メディアが多様化していることも理由として挙げられます。
SNSが発展したことによって、自社のWebサイトを制作せず、SNSだけで自社商材や店舗の紹介を完結させようとしている小規模な事業者が増えてきているのです。
Webデザイナーの主な仕事は、Webサイトの制作業務です。
業態・業種によっては、Webサイトにユーザーを集客するより、YouTubeやInstagram、XなどのSNSでの集客の方が、簡単かつ効率的に集客ができるようになっています。
企業にとって集客先の選択肢が増えたことで、Webサイトを制作する必要が薄れてきているケースもあるため、Webデザイナーの仕事がなくなると言われています。
Webデザインツールの発展
Webデザインツールが発展したことも、Webデザイナーの仕事がなくなると言われている一つの理由です。
従来であれば、HTMLをはじめWebサイト構築における専門的な知識や技術を持つ人だけがWebサイトを作成できる状況でした。
しかしWebデザインツールが発展したことで、ノーコードでWebサイトが構築できるようになってきています。
また、ツールも安価なものや無料で利用できるものも増えてきており、Webデザイナーに仕事を依頼するよりもコスト面や納期の面でも安く済ませられます。
そのため、今までであればWebデザイナーに依頼していた仕事でも、自分でツールを使って作成するという人が増えてきています。
Webデザイナーという仕事はなくならない
ここまで、Webデザイナーの仕事がなくなると言われている理由を解説してきましたが、本当にWebデザイナーの仕事はなくなるのでしょうか。
結論、まだまだWebデザイナーの需要は高いと言えます。
ただし、前述したようにWebデザイナーの有効求人倍率は低く、競争率は高い職種であると言えます。
そのため、現代に対応したスキルをつけ、ライバル達との競争に打ち勝っていくことが条件となります。
実際に、株式会社日本デザインがIT人材の採用に注力している企業の経営者109名を対象に調査を実施したデータによると、「あなたの企業では、優秀なWebデザイナーの採用に苦戦していますか?」という質問に対して、「非常に苦戦している」「苦戦している」と応えた割合は80%近くにものぼっています。
また、需要を高められるWebデザイナーが要しているスキルとしては、下記のようなものが挙げられると言われています。
出展:【IT人材の採用に注力している企業の経営者に調査】約8割が、優秀な「Webデザイナー」の採用に苦戦 8割以上が、「シェアリング人材の活用」を検討
このように、「優秀なWebデザイナーならば今後も将来性がある」と、採用する企業側も感じているのが事実です。
将来性のあるWebデザイナーの特徴
Webデザイナーの仕事は、競争に打ち勝つスキルがあればなくならないと解説しました。
それでは、将来性のあるWebデザイナーの特徴はどのようなものがあるでしょうか。
下記の7つのスキルを持っているWebデザイナーは将来性が高いと言えます。
- コーディングスキルがある
- UI/UXデザインの設計スキルがある
- コミュニケーション能力が高い
- Webマーケティングの知識がある
- SEOに詳しい
- フロントエンドのプログラミング言語を扱える
- グラフィックデザインスキルがある
コーディングスキルがある
Webデザイナーには、コーディングのスキルが重要です。
Webデザイナーの業務の1つとしてコーディングがあるためです。
コーディングとは、HTML/CSSなどのマークアップ言語・スタイルシート言語を使ってソースコードを書く作業です。
ただし、基本的なコーディング作業は、AIやWebデザインツールで代用されるようになってきました。
そのため、高度で新しいコーディングスキルを身に付けましょう。
高度で最新のコーディングスキルを獲得することで、ライバルたちに差をつけることが可能となります。
クライアントの求める様々なWebサイト構築もできるようになるため、希少性の高い人材としてWebデザイナーの競争の中でも生き残ることができるでしょう。
UI/UXデザインの設計スキルがある
Webデザイナーとして生き残る為には、Webデザインだけでなく、UI/UXデザインのスキルを習得することも大事です。
ユーザーが、より使いやすく、快適に情報収集するためのUI/UXデザインのスキルは、現代のWebサイト制作においてあらゆる場面で求められます。
UI/UXデザイナーは、ここ数年で求人数も右肩上がりで増え続けており、有効求人倍率も令和4年度の実績で1.7倍となっています。
このようにUI/UXデザイナーは、現在でも求められ続けている将来性の高い職種であり、Webデザイナーが身につけるべきスキルであると言えるでしょう。
UI/UXデザインの役割は、ユーザーがストレスなく使いやすいサイトを設計することです。
ユーザーがWebサイトを利用した際、どのように感じているのかという点を様々な視点から仮説検証することが求められます。
この業務は、AIに判定させることが難しいと言えます。
そのため、生成AIのさらなる発展が進んだとしても、UI/UXデザインのスキルは生きるでしょう。
さらに、UI/UXデザイナーを募集している企業は、Webデザインもできることを前提としていることが多いため、Webデザイナーが身につけるべきスキルとしては相性が良く、将来性の高いWebデザイナーが持っているスキルの一つと言えます。
コミュニケーション能力が高い
優秀なWebデザイナーの条件には、コミュニケーション能力が高いことも挙げられます。
Webデザイナーは、デザインに関する作業をするだけでなく、エンジニアやディレクター・マーケターなどとチームを組んで仕事を進めることがほとんどです。
また、Webデザイナーに求められるのは、クライアントの課題を解決できるようなWebサイトのデザインを行うことです。
そのため、ここでいうコミュニケーション能力とは、クライアントのニーズを最大限に引き出し、言語化できるヒアリング力と、チームでのコミュニケーションを円滑にするためにわかりやすい言葉で伝えることができる言語力・文章力などのチャットコミュニケーションのスキルのことをいいます。
このように、Webデザイナーにとってコミュニケーション能力は切っても切れない関係であり、クライアントから重宝されるWebデザイナーはこのスキルを持っていると言えます。
Webマーケティングの知識がある
Webデザイナーの競争が激化する中で仕事を勝ち取るために、Webデザインの周辺スキルを持つことも意識すべきです。
周辺スキルの一つとして、マーケティングスキルが存在します。
そもそもWebデザイナーに求められる役割は、クライアントの売上増加や企業・商品の認知拡大に繋がる『商業用のデザイン』を行うことです。
Webサイトにおけるユーザーのニーズやインサイト・売上の増加方法など、サイト制作の『その先』を見据えたスキルセットを持っているWebデザイナーは、この先も重宝される存在と言えるでしょう。
また、Webマーケティングのスキルを持っていることで、マーケティング担当やディレクターなどへのキャリアチェンジを行うことも可能です。
Webデザイナーとして前線で働き続けるだけでなく、人をまとめ、仕事をディレクションできる人材になれば、さらに将来性のあるWebデザイナーになることが可能です。
SEOに詳しい
Webサイト制作の業務と切っても切れない関係にあるのが「SEO」です。
ただWebサイトをデザインして制作するだけでは、クライアントの本来の目的である売上の増加や商品・サービスの認知度拡大に繋がりません。
その後、検索結果で上位表示されることで流入が生まれるのです。
またWeb制作時点で、SEO的に必要とされている要素を考えて作成することは、その後のSEO対策に大きな影響を与えます。
Webサイトを制作している時点で、最低限下記は意識しながら作成することが必要です。
- 滞在時間と直帰率
- ページの表示速度
- モバイルユーザビリティ
WebデザインとSEOの関係性に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
フロントエンドのプログラミング言語を扱える
将来性の高いWebデザイナーの特徴として、フロントエンドのプログラミング言語を扱える点もあります。
JavaScriptやPHPといった、フロントエンドで利用されるプログラミング言語の知識もあると重宝されます。
実際にWebデザイナーがフロントエンドのプログラミング言語を扱うことができれば、Webサイトのデザインだけでなく、設計・構築・カスタマイズを一気通貫で行うことができます。
フロントエンドのプログラミング技術については、重宝される一方で、学習に時間がかかるという面もあるため、計画的にスキルの獲得を行いましょう。
グラフィックデザインスキルがある
将来性のあるWebデザイナーが伸ばしているスキルとして、グラフィックデザインのスキルがあります。
Webサイトの役割は、ターゲットユーザーにわかりやすくサービス内容や商品の良さを伝えることがあります。
そのため、画像・図・絵・写真などを活用したビジュアルコミュニケーション手法であるグラフィックデザインのスキルを持っていることも、Webデザイナーの付加価値の一つと言えます。
Webサイトの雰囲気に合わせたロゴやアイコンを作成することができれば、一歩先を行くスキルのある将来性豊かなWebデザイナーに近づけるでしょう。
誰でもWebサイト構築が容易にできるようになった現代だからこそ、本質的なデザインスキルを備えて、激化するWebデザイナー同士の競争を生き抜きましょう。
Webデザイナーとして活躍し続けるためにすべきこと
Webデザイナーとして活躍し続けるためにすべきこととして、下記のようなものが挙げられます。
- 常に最新のデザインに関するトレンドを追いかける
- 勉強を怠らない
- 最新のWebデザインツールを把握する
- マネジメントスキルを身に付ける
常に最新のデザインに関するトレンドを追いかける
Webデザインの分野は常に進化し続けています。
最新のトレンドを追いかけ続けることがWebデザイナーとしてのスキルを伸ばしていく際に重要です。
Webデザイナー向けのウェビナーも豊富に開催されているため、積極的に参加し、トレンドを掴むことを怠らないようにしましょう。
ウェビナーなどで紹介されている事例は、「今、実際に成果が出ているトレンドのデザイン」であることが多いです。
勉強を怠らない
Webデザイナーは、勉強を怠るとあっという間に取り残されてしまいます。
そのため、知識やスキルをアップデートしたり、トレンドを追い続けたりする努力をしましょう。
知識をアップデートするためには、Webデザインの情報サイトを活用したり、セミナーや交流会に参加したりするのがよいでしょう。
特に交流会への参加は、他のWebデザイナーとつながることができる場でもあり、最新のデザイントレンドもつかみやすくなります。
また、セミナーも2020年のコロナウイルス以降、オンラインセミナーが増えているため、隙間時間に学習できるという点もメリットでしょう。
また、スキルをアップデートするためには、企業のWebサイトを模写したり、新しい技術を実際にアウトプットしたりする方法もあります。
最新のWebデザインツールを把握する
最新のWebデザインツールを把握することが、Webデザイナーとして活躍し続けるためには重要です。
最近ではWebデザインツールが発展しており、無償や安価で活用でき、便利なデザインツールも増えてきています。
また、AIを活用したWebデザインツールも増えてきており、劇的な工数削減を達成する可能性も上がってきています。
Webデザインツールを使いこなすことにより、自身のWebデザインの業務のどの部分をツールで代替することができるのか見えてくるでしょう。
そうすることにより、自分が作業する時間を減らし、そのほかの付加価値となるプログラミング技術やマーケティングスキルなどの習得に時間を割くことができるようになります。
Webデザインツールの発展により、Webデザイナーの仕事がなくなるとも言われていますが、活用方法次第では強力な味方となってくれる可能性も秘めています。
マネジメントスキルを身に付ける
Webデザイナーとして活躍し続けるためには、マネジメントスキルを身につけ、『作業者』から『管理者(ディレクター)』へとキャリアチェンジすることも方法の一つです。
管理者(ディレクター)へキャリアチェンジすることができれば、自分の意見を反映しながら案件を進められるようになり、仕事がなくなる可能性も低くなります。
また、その他に管理者として仕事をすることで他のスキルを持った人をマネジメントする機会も増え、さらにWebデザイナーの周辺知識への理解も深まります。
まとめ
以上、Webデザイナーの仕事がなくなると言われる理由や、Webデザイナーとして生き残るために必要なことなどを解説してきました。
Webデザイナーの仕事がなくなる可能性は低いですが、競争率が高くなってきていることは事実です。
そのため、競争に打ち勝つためのスキルを身につけることをおすすめします。
また、Webデザイナーの職種の特性上、センスではなく知識やスキルをアップデートし続けることも、Webデザイナーとして活躍し続けるために必要なことです。
Webデザイナーとして活躍するために重要なことを理解し、自身が今後身につけるべきスキルなどを見直してみましょう。
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