ホームページ制作でのリース契約は厳禁!クーリングオフも適用不可

ホームページ制作でのリース契約は厳禁!クーリングオフも適用不可 | pochily me(ポチリーミー)
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自社用のホームページを持とうと考えている際に、初期費用を抑えようとして「リース契約」を検討している会社もあるかもしれません。

結論からお伝えすると、ホームページのリース契約は絶対に避けるべきです。
というよりも、ホームページのリース契約は本来認められていません。

しかし、悪質な制作会社の場合、あの手この手で法の目を潜り抜けつつ、強引にホームページのリース契約を獲得しているケースも存在します。

そこでこの記事では、ホームページのリース契約をしてはいけない理由や、悪質な業者の手法、もしリース契約をしてしまった時の対処法などについて詳しく解説していきます。

一度支払ったホームページ制作費用が返金されることはある?

制作会社と正式に契約を結び、制作費用を支払った後でも、制作会社側に重大な契約違反があれば返金される可能性も充分にあります。

  • 大幅な納期の遅れがあった
  • あまりにも低品質なホームページが納品された
  • 契約内容とはかけ離れたサポート体制だった

このようなケースでは、契約を解除し、支払ったお金を返してもらえる可能性があります。
最も重要なのは契約書の内容なので、そこから大きく逸脱する行為が多いようならば、制作会社に対して返金を求めるのは当然の行為でしょう。

しかし、以下のような場合には、制作会社が解約・返金に応じることはまずあり得ません。

  • クライアント都合による一方的な契約破棄
  • リース契約を結んでいる

特に厄介なのが、リース契約を結んでしまった場合です。
このケースについて、以下の項目にて詳しく解説していきます。

ホームページのリース契約をしてはいけない理由

ホームページのリース契約をしてしまうと、以下のようなリスクを背負い込むことになります。

  • クーリングオフが適用されない
  • 途中で解約することができない
  • コストが嵩んでしまう
  • 自由なタイミングでリニューアルすることができない
  • ホームページが手元に残らない

クーリングオフが適用されない

クーリングオフは、一般消費者と事業者との間で適用される制度で、消費者が一旦契約を結んだ後でも、一定期間内ならば無条件で契約を解除することができます。

しかし、事業者間の取引においてはクーリングオフが適用されませんので、法人が制作会社とリース契約を結んでしまうと契約を解除することができないのです。

リース契約に限らない話ではありますが、事業者同士で契約を交わす際には、「いざとなればクーリングオフしてしまえばいい」という考えは捨てるようにしましょう。

途中で解約することができない

リース契約の場合は、定められた契約期間中は途中で契約を解約することができない、という制約があります。
例えば、5年契約を結んだのならば、サービス内容にどれだけ不満があろうとも、5年間はリース契約を継続するか、どうしても解約したい場合は残債を一括払いしなければなりません。

リースについてよくわからず、「通常の月額契約と変わらないのだろう」と考えていると痛い目を見ますのでご注意ください。

コストが嵩んでしまう

リース契約は、基本的に初期費用がかからず、月々決まった金額を支払うのみとなります。
一括で高額な支払いをするのが難しい事業者にとっては、初期費用なしでホームページを持てるということに魅力を感じるかもしれません。

しかし長い目で見ると、普通にホームページ制作を依頼するよりも遥かに高くついてしまうことが多いということを知っておくべきです。

例えば、月額5万円で5年間のリース契約を結んだとしましょう。
この場合、かかる費用は「5万円×60ヶ月」でトータル300万円にもなってしまいます。

リースされるホームページのクオリティは総じて低いことが多く、とても300万円の価値など感じられないはずです。

300万円もあれば、大きな規模のホームページを制作することも可能となる金額ですので、「初期費用がかからない」「安くホームページを運営できる」といった営業トークに迂闊に乗ってしまわないようにしてください。

自由なタイミングでリニューアルすることができない

ホームページは、事業内容や時流の変化に伴い、適宜リニューアルを行うのが通常です。

ところがリース契約の場合、契約期間が終わるまではリニューアルを行うことができません。
3年契約ならば、3年間はリースした時点でのホームページを利用し続けるしかないのです。

自由なタイミングでのリニューアルが許されず、ストレスを抱えたままホームページ運用を続けなければいけないという点も、リース契約をしてしまった際の大きなマイナス面です。

ホームページが手元に残らない

リース契約の場合、契約満了時にホームページをリース会社に返却しなければならないというデメリットがあります。
あくまで借りていたものですから、どんなに手塩にかけてホームページを成長させようとも、どんなにアクセスを増やそうとも、結局は自社のものになることはありません。

もちろんリース契約を延長することはできますが、借りている期間が延びるだけでいつかは返さなければいけないので、あまり意味はないでしょう。

なお、リース会社が倒産した場合はもっと悲惨です。
借りていたホームページは失ってしまうのに、残っている契約期間分のリース代は払い続けなければならないのです。

このように、ホームページのリース契約はリスクだらけであり、クライアント側にとっては一切メリットがありません。

そもそもホームページはリース契約不可

ここまで、ホームページのリース契約をしてはいけない理由を解説してきましたが、そもそもホームページはリース契約ができません。
リース契約は、車や複合機、パソコン、OA機器、デスクといった「有形」のものしか成立せず、ホームページのような「無形」のものは本来リースできないのです。

しかし、悪徳制作会社の場合、格安でホームページを制作できるという甘い言葉で誘い、なんとかしてリース契約へと持ち込もうとします。
手法の一例としては、ホームページ制作・運用の契約だと誤認させておきつつ、実は「パソコン」や「ソフトウェアが入ったCD-ROM」といった商品のリース契約だった、というような形です。

リース契約を持ちかけてきた時点で、その制作会社はかなり怪しいので、間違って契約してしまわないように注意してください。

誤ってリース契約してしまった時の対処法

ホームページのリース契約は「黒に近いグレー」なものですが、もし間違って契約してしまった際には、早急に以下のような対処法を実践してください。

  • 相手企業と話し合う
  • 行政機関を利用する
  • 弁護士に相談する
  • 裁判を起こす

相手企業と話し合う

一旦リース契約を結ぶと途中解約はできませんが、交渉次第では、相手方が折れるということもあるかもしれません。

ホームページは本来リース契約できないという前提があるため、相手方としても「自分たちがグレーなことをしている」という自覚があるはずですので、こちらの出方次第では、もしかしたら交渉の余地が残っている可能性もあります。

とはいえ、ホームページのリース契約を行っている時点で悪徳業者の可能性が高いので、交渉しても無駄に終わってしまうことの方が圧倒的に多いはずです。
それを覚悟しつつ、「法的措置に出るかもしれない」ということを伝えて、まずは相手の反応を見てみてはいかがでしょうか。

行政機関を利用する

交渉に応じる様子がないようであれば、国民生活センターや消費者センターといった行政機関に相談してみましょう。

どちらも公的な機関ですが、運営母体が異なり、国民生活センターは国が、消費者センターは地方地自体が運営しています。
しかし、役割としてはほぼ同じで、どちらに相談しても同じような対応となるため、どちらを利用しても問題ありません。

例えば、まず最初は、より身近である消費者センターを頼り、それで解決しなければ国が運営している国民生活センターへ行く、というような進め方でもよいでしょう。

担当者の当たりはずれもあるので、「消費者センターに行って駄目だったから、国民生活センターへ行っても無駄だろう」と諦めず、どちらにも相談に行くことをおすすめします。

弁護士に相談する

「相手方と話し合っても駄目」
「行政を介入させても駄目」

こういった場合は、弁護士に相談へ行くという方法も視野に入れておくべきでしょう。

国民生活センターや消費者センターは、悪い言い方をしてしまうと「お役所仕事」なので、どこまで親身になってもらえるかわかりません。
そんな時に頼りになるのが、法のプロである弁護士です。

法的にグレーな「ホームページのリース契約」を持ちかけてくるような制作会社でも、弁護士が乗り出してきたとなれば、少なからず怯むことでしょう。
いかがわしいことをしている個人・法人ほど、弁護士という肩書を恐れます。

なお、弁護士への相談料は、大体1時間あたり1万円というのが相場です。
ただし、これはあくまで平均的な相場ですので、もっと高いところもあれば安いところもあります。

そして、いざ着手となれば、さらに高額な費用が必要となるので、弁護士へ依頼する価値があるのかどうかは、案件の規模に応じて判断すべきです。

例えば、「月々のリース代が高い上に契約期間も長い」というような場合、トータルでかなり高額な費用を払うことになるので、弁護士を雇ってでも交渉する価値があるでしょう。
しかし、トータルでも数十万円程度の案件ですと、弁護士への依頼費用の方が高くついてしまうこともあります。

割に合う・合わないを計算しつつ、弁護士への相談や依頼をするかどうか判断していくのがよいと思われます。

裁判を起こす

最終手段としては、相手方に対して裁判を起こすことです。

被害金額が少ない場合はそこまでできないかもしれませんが、裁判費用を考慮しても訴える価値がある場合は行動に移してもよいでしょう。
例としては、前述のような「高額かつ長期間のリース契約を結んでしまったようなケース」です。

また、裁判という話になると、相手方も尻込みしておとなしく引き下がることもありますので、そうした効果も期待できます。

しかし、相手が受けて立ってきた場合には、高額な裁判費用が必要となってしまいますので、その点は覚悟しなければなりません。

ホームページ制作費を抑えたい場合の対処法

多くのリスクがあるリース契約に手を出してしまうのは、初期費用が抑えられるという魅力に惹かれてしまうからでしょう。

しかし、ホームページ制作費を抑える方法は他にもあります。

自社でホームページを制作する

最も制作費用を抑える方法としては、自社のリソースを使ってホームページを制作するという方法です。
ホームページ制作には、当然専門知識やスキルが必要となってきますが、高いクオリティを求めないのならば手軽に利用できるツールを使ってホームページを作ることも可能です。

無料や格安で利用できるホームページ制作ツールを利用して、自社内で完結させることで、ホームページ制作・運用のコストを最大限削ることが可能となります。

ただし、「初心者向けのツールだけで本格的なホームページ運営をするのは難しい」という点については留意しておくべきです。

相見積もりを取って格安の制作会社を探す

ホームページ制作会社の中には、料金は高いもののハイクオリティなホームページを制作するところもあれば、格安でそれなりのホームページを制作する、というところもあります。
あまり制作費用をかけたくないという場合には、格安を謳っている制作会社をリストアップし、相見積もりを取ることで、コストを極力抑えることができるでしょう。

とはいえ、ホームページの質はある程度料金にも比例するもので、相場を大きく下回るほどの格安料金ですと、低品質なホームページが納品されるリスクが高まります。
何か理由がなければ、格安料金での制作を請け負うことはできないのです。

  • 低スキルの人材を安く雇っている
  • 会社が「質より量をこなそう」と考えている
  • バレにくい部分で手を抜く

このようなことが行われる可能性もあるので、あまりに安い制作会社に依頼する際には注意が必要です。

まとめ

以上、ホームページ制作においてリース契約を結んでしまうことがいかに危険か、という点を中心に解説してきました。

事業者間のホームページ制作はクーリングオフが適用されないので、「リース契約という点が怪しそうだけど、いざとなればクーリングオフしてしまえばいい」という考えが通用しません。

クーリングオフができないということ以外でも、途中解約ができなかったり、トータルのコストが高額になってしまったりなどなど、ホームページのリース契約にはデメリットしかありませんので、絶対に契約しないように気を付けてください。

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