WebデザイナーにJavaScriptは必要?どこまで学ぶべき?できることも紹介

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「WebデザイナーもJavaScriptを学んだ方がいい? メリットを知りたい」
「WebデザイナーがJavaScriptを身に付けることで何ができるようになる?」

WebデザイナーもJavaScriptを知っておいた方がいい、という意見を耳にした時に、上記のような疑問を感じる方もいるでしょう。

この記事では、WebデザイナーにJavaScriptのスキルは必要なのか、JavaScriptを学ぶメリットは何なのか、何ができるようになるのか、などについて紹介します。

Webデザイナーの方でJavaScriptを学ぶべきか検討している方は、ぜひ本記事を参考にしていただければと思います。

JavaScriptとは

WebデザイナーがJavaScriptを学んだ方がいいのかの是非を紹介する前に、改めてJavaScriptとは何かを紹介します。

JavaScriptとは、Webページを動的にするためのプログラミング言語です。

動的なWebページとは、ポップアップウィンドウやアニメーションなど、アクションのつくWebページを指します

静的なWebページより直感的で使いやすくなるため、多くのWebサイトがJavaScriptを用いた動的なWebページにしています。

また、JavaScriptはプログラムを作る環境がエディタとブラウザだけで成立する点も、多くの利用を後押ししている点です。

プログラミングにおいて、プログラムを作る環境作りは躓きやすいポイントになります。

その点を考慮すると、JavaScriptは初心者でも始めやすいプログラミング言語といえるでしょう。

WebデザイナーにJavaScriptは必要?

昨今ではWebデザインの案件が多くあるため、HTML/CSSのスキルだけでも対応可能な案件は少なくありません。

一方でWebデザイナーが飽和状態にある点を考慮すると、JavaScriptは身につけておいた方がよいでしょう。

JavaScriptで動的なWebページを作ることができれば、他のWebデザイナーとの差別化が可能になります。

「Webデザイン×HTML/CSS×JavaScript」のように、スキルの掛け算が多いほど、市場においては貴重な人材となります。

WebデザイナーはどこまでJavaScriptを学ぶべきか

新しいスキルを学ぶ際に問題となるのが、どれくらいのレベルまで学ぶべきかです。

資格の場合には、「資格試験に合格する」というわかりやすい目標がある一方で、スキルの習得にはゴールがありません。

結論からいいますと、JavaScriptの場合は可能な限り深く学びましょう。

ざっくりとわかればいいというレベルでは、実際のWebデザインに生かすことが難しいためです。

JavaScriptの文法を学び、ライブラリやフレームワークの使い方を覚えて、表現したいことがJavaScriptで再現できるまで学びましょう。

JavaScriptの学習の幅は広いため、習得には時間がかかりますが、使えるスキルにするためにはできる限り深く学ぶことをおすすめします。

WebデザイナーがJavaScriptでできること

JavaScriptがWebページでどのようなことができるのかわかれば、JavaScriptを学ぶ上で大きなモチベーションとなるでしょう。

この項目ではWebデザイナーがJavaScriptを学ぶとできることを紹介します。

ポップアップウィンドウの表示

ポップアップウィンドウとは、Webページを操作した際に表示される画面を指します。

よくある例としては、個人情報を入力したWebフォームの確定・送信ボタンを押下したりした際に、以下のようなメッセージと共に表示されるパターンです。

「上記の内容で送信しますが、よろしいでしょうか?入力に誤りがある場合には、戻るボタンを押してください」

ポップアップウィンドウには、ユーザーの操作補助やWebページを飽きさせないなどの効果があり、多くのWebサイトで使用されています。

ユーザビリティの高いWebページを目指すのであれば、ポップアップウィンドウは使いたい機能といえるでしょう。

ドロップダウンメニュー

ドロップダウンメニューとは、該当箇所にカーソルを合わせるだけでサブメニューが自動で表示される機能です。

各メニューをクリックして階層を潜る必要がないため、Webサイト全体を把握するのに役立ちます。

例えば、扱う商品の数やカテゴリーの数が多いメーカーサイトでは、ユーザーが欲しい情報を即座に手に入れるために役立つ機能になります。

入力チェック

WebページによくあるWebフォームの入力内容チェックも、JavaScriptで実現可能です。

事前に設定した値以外が入力された場合には、エラーメッセージを表示して、再入力を促します。

例えば、郵便番号の入力欄を半角数字のみ受け入れる設定にしておけば、全角数字で入力された場合はエラーメッセージを表示します。

入力チェックを設ける目的はさまざまありますが、代表的な理由は以下の2つといえるでしょう。

  • ユーザーの入力ミスを減らすなどの入力補助
  • サーバー側で処理できない文字列の制御

基本的にWebフォームへの入力は、ユーザーにとってストレスとなる作業です。

入力チェックを入れることで、ストレスのかかる入力のやり直しなどを減らすことができます。

アニメーションの作成

図形の変化やグラフの描画など、Webページ上のアニメーションもJavaScriptで作成できます。

アニメーションはWebページを見るユーザーの心を惹きつけるため、そのサイトならではのUXが提供できます。

企業を表現するアニメーションを用意すれば、印象に残るWebサイトになるでしょう。

計算機能の搭載

Webページによくある金額の計算もJavaScriptでおこなえます。

例えば、商品の単価と購入数に応じた料金の計算がJavaScriptを利用した計算機能でよくあるケースです。

計算機能などはWebページの裏側にあるサーバー側に任せる方法もありますが、タイムラグが少なからず生まれます。

少ない待ち時間もユーザーにとってはストレスになるため、JavaScriptでの計算の方がユーザビリティは高くなるでしょう。

また計算機能と入力チェック機能を同時に使えば、ユーザーに間違えのない入力を促しつつ、正確な数値の算出ができます。

JavaScriptでできる機能を組み合わせると、より完成度の高いWebサイトになります。

Ajax(非同期通信)

Ajax(非同期通信)とはAsynchronous JavaScript and XMLの略語であり、ページを変えずにデータの取得・表示する手法です。

Ajaxの優れた点は、コンテンツを自身の手で最新の状態に保つ必要がない点です。

例えば、コンテンツをWebサイトに載せた場合、情報が古くなったら自身の手で更新をする必要があるため、手間がかかります。

一方でAjaxの場合は、コンテンツに必要なデータを取得・表示するだけのため、コンテンツの管理は取得先に委ねることができます。

もちろんコンテンツを取得先に委ねる点は、リスクを含むため注意が必要です。

Ajaxのよくある例としては、Google MapのようなWebサイト上に表示させる地図などが代表的な使用例です。

WebデザイナーがJavaScriptを扱うことができないとどうなる?

JavaScriptのような新たなスキルを身につけるのは大変なため、できれば避けたいという方もいるでしょう。

しかし、WebデザイナーがJavaScriptを扱うことが出来ない場合、市場価値を高めることができず、将来的には仕事を失う可能性があります。

仕事を失うまではいかなくとも、スキルが高くないため、Webデザイナーとしての年収は上がりにくいでしょう。

新しいスキルを身につけることは、誰にとっても大きなストレスになります。

一方でスキルを身につけなければ、厳しい将来になる可能性が高まるため、少しずつでもよいので新しいスキルの取得に励むようにしましょう。

WebデザイナーがJavaScriptを習得するメリット

WebデザイナーがJavaScriptを学ばないと、市場価値が上がらないというデメリットがありますが、反対はどうでしょうか。

この項目ではWebデザイナーがJavaScriptを習得するメリットを3つ紹介します。

人材価値が高まる

プログラミング言語を扱える時点で、市場の中では貴重な存在に近づくため、市場価値が上がります。

JavaScriptはWebサイトに動きをつけるプログラミング言語というだけでなく、サーバー側でも使えるプログラミング言語でもあるためです。

システム運用において、フロントエンドとバックエンドのプログラミング言語を統一したいというニーズは少なくありません。

それぞれでプログラミング言語が異なる場合、開発・運用に必要な人材も増えるためです。

JavaScriptを使えば、フロントエンドとバックエンドを同じプログラミング言語にできるため、必要な人材をできるだけおさえることができます。

ニーズの高さは市場価値の高さに直結しており、JavaScriptが扱える人材は市場の中でも価値が高いといえるでしょう。

フリーランスなら獲得できる案件の幅が広がる

JavaScriptを身につけるとできることが増えるため、獲得できる案件の幅も広がります。

特にフリーランス・副業では、案件の応募条件にプログラミング言語が指定されるケースが珍しくありません。

JavaScriptを扱えるのであれば、JavaScriptの使用が指定された案件にも対応することができます。

またフリーランス・副業の案件は、新規スタートの案件ばかりではありません。

Webサイトの修正・刷新を目的とする案件もあり、JavaScriptができるとそのような案件にも応募ができます。

たった1つのプログラミング言語を身につけるだけでも、できる案件の数・質が大幅に広がります。

エンジニアへのキャリアチェンジも狙える

HTML/CSSは厳密にはプログラミング言語ではないため、身につけていてもエンジニアのキャリアは難しいでしょう。

一方でJavaScriptはれっきとしたプログラミング言語であるため、エンジニアへのキャリアチェンジは可能です。

もちろん、1つのプログラミング言語だけではエンジニアとしては物足りないため、他のプログラミング言語も身につける必要があります。

1種類のプログラミング言語を身につけると、他のプログラミング言語を学習する際にも応用が効くため、学習効率が高まります。

PHPやRubyなどのWebエンジニアが使用するプログラミング言語を学べば、エンジニアへのキャリアチェンジも十分可能です。

JavaScriptと一緒に学ぶべきライブラリやフレームワーク

JavaScriptを使用してプログラミングをする場合、実際には効率性や正確性の観点からライブラリやフレームワークを使用するケースがほとんどです。

JavaScriptの学習と並行して、ライブラリやフレームワークの学習も進めた方がよいでしょう。

この項目ではJavaScriptと一緒に学ぶべきライブラリやフレームワークを4つ紹介します。

jQuery

jQueryとは、2006年に登場したJavaScriptのライブラリになります。

さまざまなライブラリやフレームワークがありますが、その中でもjQueryの強みは、短いコードでWebページを動かせることです。

例えば、Webページ内にアニメーションを取り入れる場合、JavaScriptでは多量のコーディングが必要になります。

一方でjQueryでは、簡単なコーディングだけで実現します。

またレスポンシブ対応が簡単になる点も、jQueryの強みといえるでしょう。

レスポンシブ対応とは、Webページをブラウザ・デバイスの種類を問わず、Webページを適切に表示することです。

React

Reactとは、Meta社が開発したJavaScriptのライブラリです。

Meta社のサービスであるFacebookやInstagramはもちろん、NetflixやSlackなどでもReactは使われています。

Reactの強みは、昨今の流行りであるSPAと相性が良く、簡単に作成ができる点です。

SPAとは「Single Page Application」の略で、GoogleマップやFacebookのような1ページだけで使えるWebページ・サービスのことです。

また処理が高速であることから、画面描画も早く、ユーザーにストレスのないWebページが提供可能です。

Vue.js

Vue.jsは、別のフレームワークを使用していたエンジニアが、より効率的なものが欲しいとして開発された後発のフレームワークです。

Vue.jsの良いところは、HTMLのような文法を採用しているため、覚えやすい点です。

フレームワークによってはクセのある文法を覚える必要があるため、学習コストが高くなります。

一方でVue.jsであれば、HTMLを理解している人であれば、問題なく扱えるでしょう。

また既に他のフレームワークが使われているWebページにも、Vue.jsは利用できるため、一部分だけをVue.jsで補うことも可能です。

初心者にもハードルが低く、いかなるタイミングのWebページの作成にも使えるのがVue.jsの良いところといえるでしょう。

Node.js

Node.jsとは、さまざまな役割をこなせるJavaScriptの環境です。

具体的には以下2つの役割をこなせるため、昨今では多くの方が利用しています。

  • サーバーサイドでの実行環境
  • クライアントサイドの開発環境

JavaScriptというと、Webページを動かすプログラミング言語ですが、Node.jsを利用することでサーバー側でも使えるようになります。

クライアント側とサーバー側の両方を、同一のプログラミング言語で統一できるため、開発面・費用面でのメリットがあります。

またnpmと呼ばれるパッケージ管理ツールは、Node.jsの大きな強みの一つです。

npmには数多くのJavaScriptのファイルが保存されており、ダウンロードが可能です。

ダウンロードをしたJavaScriptのファイルを利用すれば、最低限の開発で自身のやりたいことが実現できます。

WebデザイナーがJavaScriptを学ぶためのおすすめ学習方法

JavaScriptで実現できることや学ぶメリットがわかると、実際にJavaScriptを学んでみようと思う方も出てくるでしょう。

この項目では、WebデザイナーがJavaScriptを学ぶためのおすすめ学習方法を3つ紹介します。

オンライン学習サイトを利用する

一昔前でJavaScriptなどのプログラミング言語を学ぶ方法といえば、書籍を購入しての独学がメインでした。

しかし、昨今ではオンライン学習サイトでJavaScriptの学習ができます。

オンライン学習サイトとは、Webサイトに公開されたカリキュラムを順々に学んでいき、スキルや知識を身につけるWebサイトです。

オンライン学習サイトには、リアルタイムでカリキュラムを教える形式と動画でカリキュラムを説明する形式に分かれています。

自身の学習スタイルや勉強時間にあわせて、どちらの形式にするかを決めるとよいでしょう。

またオンライン学習サイトは、パソコンやスマホから学習できるため、勉強場所に縛られないというメリットもあります。

さまざまなオンライン学習サイトがある中で、おすすめのサイトは以下となります。

  • Progate
  • ドットインストール
  • Udemy

コードの模写をする

オンライン学習サイトでJavaScriptのイロハを学んだあとは、参考サイトを見つけて、コードを模写してみましょう。

JavaScriptのコードを模写する過程では、文法を覚えると同時に、さまざまな疑問が浮かんでくるはずです。

例えば、以下のような疑問です。

「この処理をこの位置に書いているはなぜ?」
「この処理は何をしている?」

疑問を解決する過程は難しく、相応の時間はかかります。

一方で生まれた疑問を一つひとつ解決していけば、新しい知識が身につき、自身のコーディングの参考にもなります。

JavaScriptを使ったWebサイトを作成する

参考サイトでのJavaScriptのコードの模写を通じて、基礎が身についた場合には実際にWebサイトを作成してみましょう。

最初の内は自身がやりたいことに技術が追い付かず、もどかしい気持ちになる可能性があります。

プログラミング初心者の方は、やりたいことが実現できないために辞めてしまう方は少なくありません。

発想に技術が追い付かず、モヤモヤする気持ちになりますが、まずは我慢が大切です。

問題を一つずつ解決して、自身のやりたいことが実現できるようにアプローチしましょう。

単にWebサイトを作るより、問題を解決しながら作成した方が記憶にも定着しやすいため、自身のスキルアップにつながります。

まとめ

今回は、WebデザイナーはJavaScriptを学ぶべきなのか、JavaScriptを学ぶメリットを紹介しました。

今回解説した内容をまとめると以下のとおりです。

  • WebデザイナーにJavaScriptは必要
  • WebデザイナーがJavaScriptを身に付けるメリットは多数
  • JavaScriptを学ぶにはオンライン学習が最適

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