HTMLとCSSの違いとは?それぞれの特徴や学習方法をわかりやすく解説
Webサイトの制作に必ず必要になるのがHTMLとCSSです。そのため、HTMLやCSSの違いや特徴をよく理解してから、Webサイトの制作やデザインに取り組むべきです。
この記事では、マークアップ言語であるHTMLとスタイルシート言語であるCSSの違いや、それぞれの特徴などについてわかりやすく解説します。
また、HTMLとCSSを効率よく学習する方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
HTMLとCSSの特徴
ここでは、HTMLとCSSの特徴について解説します。
HTMLとCSSの特徴を細かく解説していますのでご参考ください。
HTMLとは
HTMLとは、(Hyper Text Markup Language)の略で、Webページを制作するためのマークアップ言語となります。
今、皆様が読まれているこの記事にも、もちろんHTMLが使われています。
マークアップ言語とは、記事の段落やタイトル、太文字などを識別するために使用される言語です。
人間は、視覚的に段落やタイトル、太文字などを識別することが可能ですが、コンピュータは視覚的な情報で判断することができません。
そこで、HTMLのルール通りに記述することで、コンピューターに「段落なのか」「タイトルなのか」などを識別させることが可能になります。
なお、HTMLにはいくつかバージョンが存在します。
2024年6月現在の最新バージョンは「HTML Living Standard」になります。
そのため、HTMLを学習する場合は、現在のバージョン「HTML Living Standard」を学習するようにしましょう。
古いバージョンの学習をしても、今では使えない記述があります。
参考書などで学習を考えている人は、いつ出版された書籍なのか確認して購入することをおすすめします。
CSSとは
CSSとは、(Cascading Style Sheets)の略で、Webサイトのサイズや色、レイアウトなどを設定するスタイルシート言語です。
HTMLと合わせて使用されることが多いため、学習の際はHTMLとセットで学ぶのが基本です。
なお、このCSSにもバージョンがあるため、学習する際には注意が必要です。
現在のバージョンは「CSS3」になります。
こちらも参考書などで学習するなら、いつ出版された書籍なのか確認するようにしてください。
HTMLとCSSの違い
HTMLとCSSは、Webサイトを制作する上で必要な言語です。
基本的な役割としては、HTMLは文章の構造を作成し、CSSは色やサイズなどの装飾を行うために使用されます。
HTMLとCSSの違いをしっかり認識しておくことは、Webサイトの制作の幅を広げるために必須となります。
役割の違い
HTMLとCSSは、Webサイトのコーディングをする上で欠かせない言語ですが、それぞれ役割が異なります。
- HTML:Webページの構造やコンテンツを記述するためのマークアップ言語
- CSS:Webページの見た目やスタイルを定義するためのスタイルシート言語
HTMLは、コンテンツの構造を決定し、文書の骨格や要素を定義することができます。
しかしHTMLだけでは、コンテンツの構造しか定義することができないため、強調したい箇所やデザイン性を高めたい場合などには表現が不足してしまいます。
そのため、CSSを使用し、HTMLで作成したコンテンツに見た目やスタイルなどの装飾を施していくわけです。
装飾の例としては、HTMLで作成した文字の大きさを一部大きくしたり、色を変更したり、配置を位置を変更したり、といったことが挙げられます。
CSSを使用することで、Webサイトのコンテンツに強弱、デザイン性を取り入れることができるため、ユーザーにもわかりやすいWebサイトを実現することができます。
Webサイトは、HTMLとCSSのどちらかだけで制作できるものではありません。
HTMLとCSSのどちらも使うことによって、はじめて見やすい・わかりやすいWebサイトになります。
書き方の違い
HTMLとCSSは役割が違うため書き方にも違いがあります。
HTMLで作成した言語に、セレクターと呼ばれる識別子を追加し、CSSで装飾する位置を定義します。
HTMLなどでセレクターを先に記述し、作成したセレクターに対してどのようにCSSで装飾していくか記述していきます。
また、HTMLは1からWebサイト構造を定義していくのに対して、CSSではHTMLなどで作成したセレクターの、どの部分なのか、何を変えるのか、どのように変えるのか、と指定する記述方法になります。
HTMLの代表的なタグや記述方法
HTMLはサイトの構造を作成することができるため、1から自分で構造を決めることができますが、どのようなタグや記述があるのかわからないと記述はできません。
ここでは、HTMLの代表的なタグや記述方法について解説していきます。
HTMLのタグの役割
HTMLは、Webサイトの構造を作成することができるマークアップ言語です。
作成には、ルールが決められた「タグ」を使うことでWebサイトの構造をコンピュータに認識させることができます。
先頭の「<タグ名>」を開始タグ、終わりの「</タグ名>」を終了タグといい、これらのタグの間にテキスト(文章)を挟むことで、タグの定義に基づいた意味を持たせることが可能です。
これは共通のルールのため、覚えておきましょう。
タグの種類は多く用途も幅広いので、いきなり全て覚えるのではなく、まずは主要なタグを覚えることに注力することがおすすめです。
以下に、代表的なHTMLタグを表にまとめています。
タグの種類 | 役割 |
aタグ | リンク先を貼り付けるタグ |
brタグ | テキストや文章を改行するタグ |
divタグ | CSSなどで使うためにグループ化するタグ |
hタグ | 見出しを表示させるタグ |
imgタグ | 画像やイラストを表示させるタグ |
tableタグ | 表を作成して表示できるタグ |
pタグ | 段落を指定することができるタグ |
spanタグ | CSSなどで装飾するために部分的に指示をするタグ |
リストタグ(ul・ol・li) | 箇条書きにできるタグ |
HTMLの記述方法
HTMLの構造には、<head>タグと<body>タグの2種類を使用して構造を定義していきます。
以下で、具体的な記述方法について解説していきます。
<head>タグは冒頭に記述し、ページのタイトルや外部からのインポートファイルなどの情報が含められます。
記載された内容はWebページには表示されないですが、重要な要素となります。
主に使用されるタグは、「<title>タグ」「<meta>タグ」「<link>タグ」の3種類で、Webサイトの文字コードや、ページ内容の要約、CSSなどのスクリプトファイルなどを定義することが可能です。
<head>に記述する要素は、Googleなどの検索エンジンにWebサイトの構造を伝える役割があります。
基本的には定型に沿って記述すれば問題ありません。
<body>タグは、実際にユーザーが目にする部分となり、タグを使用して記述していきます。
どのようなタグが使用されるかについては、前述の「HTMLのタグの役割」の項目を参照してください。
なお、ページの大半を<body>にて作成していくことになります。
CSSの代表的なプロパティや記述方法
CSSはWebサイトの見た目やスタイルを定義することができるスタイルシート言語です。CSSで記述するプロパティとは、適用するCSSのスタイルの種類を指します。
これらの記述方法もHTML同様に決まっているため、代表的なプロパティや記述方法について解説していきます。
セレクタとプロパティ
CSSの基本的書式では、 セレクタ { プロパティ : 値 } で記述を行います。
日本語で書くと (この要素の) {(このスタイルを):(こうする)} となります。
セレクタはHTML要素を指し、HTMLのどの箇所にスタイルを適用させるのか詳細に定義することができます。
プロパティは、スタイルの種類を示し、その役割は様々です。
例えば、「color」は文字色の変更、「background-color」は背景色の変更、「font-size」は文字サイズの変更を行うことができます。
このように、CSSの基本書式ではプロパティで指定したスタイルの種類をどの箇所でどのように変更をするかを定義することができます。
CSSのプロパティの役割
プロパティは、先ほど述べたようにスタイルの種類を示します。
CSSで表現できるスタイルの種類は様々で、以下に代表的なプロパティをまとめておきます。
プロパティ一覧 | 役割 |
font-size | 文字サイズの変更 |
font-weight | 文字の太さを指定 |
font-family | フォント種類の変更 |
text-align | 文字の位置を指定 |
text-decoration | 文字にアンダーラインなどの装飾 |
line-height | テキストの行間を調節 |
padding | 要素内部の余白を調節 |
margin | HTML要素外部の余白を調節 |
background-color | 要素の背景色を変更 |
background-image | 要素の背景に画像を挿入 |
上記で紹介したプロパティはごく一部で、他にも種類は数多く存在します。
全てのプロパティを覚えることは不可能に近いため、目指したいデザインや参考となるサイトを見つけ、そのページに適用されているCSSを参考にしていくのがおすすめです。
CSSの記述方法
CSSの記述方法は大きく分けて3つ方法があります。
最も使用頻度が高いのは、外部参照になります。
以下で、具体的に解説していきます。
- インライン形式
- ヘッダー埋め込み形式
- 外部参照
インライン形式は、作成したHTMLのタグの中に直接CSSを記述していく方法です
適用したいHTMLの箇所に直接記述をするため、どこを装飾しているのか視覚的にもわかりやすいです。
しかし、直接記述するため、ページ共通で装飾したい場合や膨大なCSSを記述する場合などには不向きです。
ヘッダー埋め込み形式は、<head>タグ内にスタイル要素を指定し、ページ全体に一括して適用する記述方法です。
<head>タグ内で記述したCSSは、追加したページのみに適用されます。
全てのページを装飾したい場合にはインライン形式と同様に不向きになります。
外部参照は、最も使用される記述方式であり、CSSを外部ファイルとして別で作成をしてHTMLで読み込ませる方法です。
リンクしている全てのページを一括で変更・更新ができます。
Webサイト制作をする上では、なくてはならない記述方法です。
ただし、CSSファイルが大きくなりすぎるとWebページの読み込み遅延に繋がる可能性があるため、読み込み速度に影響がないか確認しながら作成しましょう。
HTML/CSSの学習方法
HTMLとCSSについてご説明してきましたが、これらを効率的に学習する方法についても紹介していきます。
自分の学習スタイルに適した方法を選択してみてください。
書籍を読む
一般的な学習方法として、書籍を活用しての学習がおすすめです。
後ほど紹介する、オンライン学習サイトやスクールに通うなどと合わせて用いられることが多い方法です。
HTMLとCSSに関する書籍は、基本的な記述方法から、綺麗なコードの書き方、デザイン性に特化した記述方法など、目指したいレベルによって様々です。
HTMLとCSSは、バージョンがアップデートされるごとに使える機能や記述方式の簡略化などが行われていきますので、なるべく最新の書籍を購入することが大切です。
バージョンのアップデート前に販売された書籍を購入して学習しても、現在では記述できない内容があるかもしれませんのでご注意ください。。
オンライン学習サイトを利用する
インターネットが普及した現代では、ネット上に無料で学べる学習サイトや、時間や場所を問わず利用できるオンラインセミナーなどが豊富に存在します。
社会人の方など、仕事から帰宅した後から勉強をする方は、時間的な制約があることが多くなかなか学習時間を確保できません。
そのような方でも、オンライン学習サイトであれば、いつでもどこでも好きな時に学べるため、時間的な効率を高めることができます。
無料ではじめることができるサイトも多くあるため、仕事終わりや休日など自分のスケジュールにあわせて利用してみてください。
Youtubeで学習動画を探す
オンライン学習サイトと同様に、Youtube上にもHTMLとCSSの解説動画が多数アップされています。
特に、初心者が詰まりやすいポイントや理解しづらいポイントなど、学習していく上で障壁となってしまう内容は、数多くのユーザーにとって有益になるため、Youtube上に公開されていることが多いです。
ただし、Youtubeでは広告が気になって学習に集中できなかったり、他のエンタメ系の動画が目に入ってしまったり、集中力を維持するのに不向きな点もあります。
無料で学べる魅力も大きいですが、その分誘惑も多いので、誘惑に勝てる方にはおすすめです。
スクールに通う
費用としては高額になってしまいますが、一番早くスキルを身につけることができるのが、「スクールに通う」という方法です。
もちろん、教室に通う必要があるオフラインスクールだけでなく、オンラインスクールも多いため、仕事終わりや休日に学習することも可能です。
スクールの最大の魅力は、わからないことがあれば専任の講師に直接質問できることです。ページの読み込み速度に影響しないようなCSSの記述方法などについて、実践経験が豊富な講師から指導を受けられる機会はとても有益です。
わからないことはすぐに聞ける環境で学習することで、HTMLとCSS習得の一番の近道になります。
JavaScriptを学ぶことでWebサイトの幅が広がる
HTMLとCSSを学習した後は、JavaScriptを学ぶことで、Webサイトで表現できる幅が大きく広がります。
JavaScriptは、CSSで修飾したボタンなどに動きを付け加えることができます。
静的なWebサイトだけでなく、動的なWebサイトも制作できるようになるため、デザインの幅を広げることができます。
Webサイトに関するプログラミング言語には、JavaScript以外にもpython・Ruby・phpなどがありますが、JavaScriptであればWebページを表示するフロントエンドだけでなく、動的な動きを実現するサーバーサイドの開発にも使用できるため、非常に汎用性が高い言語です。
JavaScriptは、スクリプト言語で動的なコンテンツやアニメーションなどをWebサイトへ実装することが可能ですが、HTMLとCSSの知識がある前提での言語となります。
そのため、HTMLとCSSの学習が完了したらJavaScriptの学習をするとよいでしょう。
まとめ
この記事では、マークアップ言語であるHTMLと、スタイルシート言語であるCSSの違いや、特徴などについてわかりやすく解説してきました。
HTMLは文書の構造を作成できるマークアップ言語で、CSSはHTMLで作成した構造に装飾を施すことができるスタイルシート言語です。
HTMLとCSS、どちらかだけを使うのではなく、両方をセットで使用するのが基本です。
初心者の方は、まず代表的なタグから覚えていくとよいでしょう。